羽生vs渡辺!3連敗から4連勝!初代永世竜王を懸けた死闘

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 出典http://nisin.hatenablog.com/entry/2014/01/25/153829

「100年に一度の名勝負」


将棋界にそう言われ伝わる伝説の七番勝負がある


2008年に行われた第21期竜王戦七番勝負

 
将棋ファンの間でも伝説となって語り継がれるこのシリーズは当時竜王だった渡辺明に挑戦者羽生善治名人が挑んだものです。


「名人VS竜王」という最高峰の闘いであると共に、この七番勝負では竜王のタイトルと共に「永世竜王」の称号が両者共にかかっていました。


永世竜王になれる条件は二つあります。

  • 竜王位を通算7期獲得
  • 竜王位を連続5期獲得


この時、渡辺は連続4期竜王位に就いており、羽生は通算6期竜王位を獲得していました。


つまりこの竜王戦に勝ったほうが初代永世竜王となるわけです。


そして羽生は永世竜王の称号を手に入れれば前人未踏の永世七冠となります。


パリで第一局が指されたこの七番勝負、第三局を終えた時の戦績は羽生の3勝0敗


「永世七冠の誕生に待ったなし」


誰もがそう思ったことでしょう


将棋の内容も羽生の完勝、特に第一局は羽生が渡辺の必勝形に誘導してからの圧勝でした。

 

ちなみに戦型は「居飛車穴熊(渡辺)vs右玉(羽生)」


この第一局目の将棋について渡辺はこう語っています。

 


「僕の将棋観が根底から覆された。僕だって読めていた手、でも初見で捨てた手、僕にとっていちばんあり得ない手が最善手だった。僕の将棋観が否定されたんです」

 


棋士の誰もが「渡辺必勝」と断ずる局面に、羽生だけがその局面を有利と判断し、その大局観の正しさを圧勝によって証明したこの将棋に羽生の怖ろしさがにじみ出ています。

 


「シリーズ中盤でこれをやられていたら、もう終わりだったですよ。第一局でよかったと思わなくてはいけませんね。立て直せる時間があるかもしれない」

 


こうも語った渡辺はこの将棋の余波からか3連敗、カド番に追い込まれます。


しかし第四局で事件は起こりました。


羽生勝勢で進んでいた終盤、渡辺は負けを覚悟していましたが

 

「1分将棋の秒読みに追われて△3七成桂。▲同桂に△5五金と飛を取ると▲4七金△3五玉▲5五金で受けがないので、今度こそ本当に負けたと思いましたが、指した後に130手目△2六玉まで進んで打ち歩詰めのような気がしてきました」

(渡辺明ブログより引用)

 
将棋のルールにはいくつか特殊なルールがあります。


中にはどうしてこのようなルールがあるのだろうというものも


その中で一番出現率の低いのが「打ち歩詰め」


将棋のルールで打ち歩詰めは反則と規定されています。


渡辺の玉が打ち歩詰めでないと詰ますことができない局面になった時には形成は渡辺に傾いていました。


そしてこの第四局、結果は渡辺勝ち

 

「何度も負けを覚悟した将棋なのに、なぜ自分が勝っているのかがわかりませんでした。改めて、将棋の深さを感じています」

(渡辺明ブログより引用)

 
この対局が流れを変えたのか、ここから渡辺が3連勝し、七番勝負の行方は3勝3負で最終第七局にまでもつれ込みます。


将棋の街「天童」で行われた最終局は両者持ち時間を使い切ったあと、一分将棋が37手も続き、まさに死闘と化しました。


そしてこの最終局を制したのは渡辺明


竜王位5連覇を達成し初代永世竜王の地位に就きました。


この対局の大判解説をしていた佐藤康光九段はこう語っています。

 

「この将棋は渡辺さんは負けを覚悟していたと思う。そこであきらめないで気持ちを切らさず指したことが羽生名人のミスを誘った。歴史に残る将棋でしたね。二転三転したと思いますが、並べているだけで両者の想いが伝わる。劇的な幕切れで、互いに実力、運、執念、気力などあらゆるすべてのものを取り入れた結果、渡辺さんが4勝3敗の僅差で防衛しましたね。おめでとうございます。すごい将棋、すごいシリーズでしたね。私もまた頑張りたいと思います」


「渡辺さんが3連敗をしたときは、どうなるかなと逆の心配をしていましたが…、しかし、やはりすごいですね。ただ感嘆するよりないですね。すごいの一言以外に言葉が出てこないですね。普段、人の将棋で寝付けないというのはないが、今日は興奮して眠れないかもしれない」
(2008年12月18日竜王戦中継ブログ「竜王戦中継plus」より)

 
3連敗からの4連勝という将棋史上例のない逆転劇は今も伝説として語られ続けています。

  

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第二十一期竜王決定七番勝負 激闘譜―渡辺明vs.羽生善治

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渡辺流 次の一手 (SUN MAGAZINE MOOK)

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棋士の才能 ―河口俊彦・将棋観戦記集―

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