最年少タイトル獲得「藤井新棋聖」誕生!
2020年7月16日
将棋界の記録がまたもあの天才棋士によって更新されました。
最年少でのタイトル獲得を成し遂げた藤井聡太新棋聖。
これまでの最年少記録は屋敷九段の18歳6ヶ月。
そして、藤井聡太七段が17歳11ヶ月という若さで「棋聖」のタイトルを獲得し、30年ぶりの記録更新となりました。
タイトルに挑戦する時も、史上最年少でのタイトル挑戦だったので、かなりの期待があり、第四局目の報道陣の数はなんと71人でした。
ちなみに、それまでの最年少タイトル挑戦者は屋敷九段の17歳10ヶ月と24日。
そして藤井聡太棋聖は17歳10ヶ月と20日でのタイトル挑戦でした。
4日間の更新です。
「4日間だけ?」と思うかもしれませんが、将棋界には「絶対に破られないであろう記録」というのがありまして、そのうちの一つがこの屋敷九段の17歳10ヶ月と24日での最年少タイトル挑戦です。
ちなみに、藤井棋聖が登場する前は、連勝記録も「絶対に破られないであろう記録」の一つでした。
これは神谷八段の「28連勝」ですね。それを29連勝して塗り替えたのも藤井新棋聖です。
さて、ここからが本題の最年少タイトル獲得ですが、相手は現代最強と言われる渡辺二冠でした。
渡辺二冠も藤井新棋聖と同じく中学生でプロになった天才棋士です。
今回、「棋聖」のタイトルを失冠するまでは「棋王」「王将」「棋聖」の3つのタイトルを保持していた名実ともに最強の棋士でした。
2019年のトークショーでは「(藤井七段の)引き立て役にはなりたくない」と答えられていましたが…残念ながら、その引き立て役になってしまいました。
五番勝負の内容としては藤井新棋聖の3勝1負。
矢倉が印象的だったシリーズとなりました。
以下、渡辺二冠の感想
「残念なところですけど、全体として競った将棋での負けなので仕方ない結果だと思います」
「いろいろ読めてない手が出てきた」
「藤井七段は13歩の変化も読み切りでした。(第一局)」
「中終盤の指し回しにこっちが気づかない手が多かった」
「負け方がどれも想像を超えてるので、もうなんなんだろうね、という感じです」
「すごい人がでてきなたなという感じ」
「藤井棋聖への“勝ちパターン”を次の機会までに考えます」
なんだか完敗だったといった感じですね。
ちなみに読んでいない手としては以下の局面の8六桂などがそうです。
渡辺二冠のこのようなコメントを見て、私が思ったのは、プロ棋士とコンピューターの対局です。
「読んでいない手がでてくること」や「すでに読み切っていること」
藤井新棋聖の読みのスピードと棋力の高さの前では普通に戦ったら負けてしまう。
こんな感じの印象を受けました。
しかし、コンピューターとは普通に対局したら負けるけど、癖とか見抜いて研究すれば勝ちを見つけることができます。
永瀬二冠もコンピュータソフトのSeleneと対局して勝ったあとの記者会見でこう話されています。
「勝率は一割ぐらい。でも、その一割を引くことが可能だと思った。」
コンピュータも予想していない手を指すことから「AI超え」との声も一部では騒がれている藤井新棋聖ですが…そんな相手に勝ちパターンはあるのでしょうか?
渡辺二冠の今後の藤井対策に注目です。
さて、ここからは藤井新棋聖の感想です。
「難しい将棋だった。最後までどうか分からなかった。獲得できたことは非常にうれしい。より一層精進していい将棋ができるようにしたい」
「(師匠に)ずっとお世話になってきた。少し恩返しできたのかなと思います」
「中盤の指し回しなどは以前に比べたら成長できたかなと思います。」
「自分のなかではまだまだ課題が多いと思っていて、対応力を伸ばしていきたいなと思っています。」
「将棋というのは本当に難しいゲームで、この立場に立っても分からないことばかりだなと感じるので、これからも探究心を持って盤上に向かっていきたいという思いです。」
ちなみに、印象に残った将棋は自身が敗れた第三局目を挙げています。
現在、王位戦七番勝負も闘っている藤井棋聖。
”藤井二冠”となる日も早いかもしれませんね。
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